カマかけだったのに。答えないってことは図星なのか。普段の央輝なら、きっと、この程度では引っかからない。疲労で判断力が鈍っている。【智】「……体格的な限界ってあるだろうしね」央輝の体つきはアスリートみたいな鍛え方はしてない。瞬発力があっても持久力は苦しいと見た。【智】「ひとつ……聞いていい……?」【央輝】「いいぞ」【智】「女の子を、さ……愛奴にして、どーすんの……? その……いかがわしいお仕事でもさせるの?」それは何が何でも遠慮させて。【央輝】「決まってる。あたしがいかがわしいことをするんだよ」【智】「……………………」悪くないかも。いやいやいや。【智】「……生命の危機だね」バレちゃうし。【央輝】「安心しろ、血は吸わない」【智】「自分のために最善の努力を」【央輝】「手札は尽きてるくせに」【智】「人事を尽くした努力が足りなければ、埋めるものはただひとつ…………」ぐっと、天を掴むように拳を突き上げて。【智】「根性で勝負,oakley メガネ!」【央輝】「ここ一番で精神論か」鼻で笑われた。【智】「まあ、そういうことにしといてよ」ラストスパート。【るい】「来た——」ゴールのポイント。【るい】「ともー、がんばーっ!!!!」るいがいた。先回りですか、どこまで体力あるんだ、あの乳怪獣は……。死ぬほど元気そうに手を振っている。…………ちょとむかつく。【智】「智ちん、いきまーすっ!」【央輝】「しぶといヤツが!」パッシングする。【央輝】「なにを!」【智】「まだまだあ」【央輝】「……こ、こいつっ」ペースを乱して、央輝のやつがつんのめる。【智】「ちゃーんす!!」【央輝】「く、くそが……くそくそっ!」死にものぐるいで抜きつ抜かれつ。ダッシュ。ゴールは目の前。体力は底値いっぱい。【央輝】「やろう……っ!!」央輝が増速する。こっちもする。【央輝】「ど……どこに、こんな体力が、残って……やがったんだ……っ」さすがに央輝が焦る,coach 財布 アウトレット。【智】「根性ですっ!!」【央輝】「根性で……そんなばかな……」心理的揺さぶり,ヴィトン 財布 メンズ。【智】「仲間と繋がった心の力は無限なのです!!!!」【央輝】「ば、ばかな…………」まったく馬鹿げてます。ノリと精神論とクサイ台詞で押し切るには、僕は神経が細かすぎる。そういうのは、るいの領域だ。ごめんね、央輝。実はまだ奥の手があったんだ。最後ではなく、最初のカード。出す前から伏せていたから、央輝にだって予想がつかない。央輝は女で、僕は男。ズルっぽい……というより、しっかりズルです。男女の体力差を央輝は計算できてない。【央輝】「く、うくく、くあ……っ」央輝がたじろいだ。歩調が乱れる。【智】「ぷくくくくっ、どうやら貴様の負けのようだな!!」悪役の台詞だ。疲労の極でハイになっていた。一気に追い抜こうとする。ここまでに何度も央輝が勝つチャンスはあった,coach 財布 人気。こっちを甘く見た分、つけいる隙ができた。【央輝】「…ぐ…くぁ……っ」【智】「ひまらー……(いまだー……)」いよいよ呂律がまわらないあとビル二つ。勝てる、と思った。そこで。央輝は壁に寄りかかった。限界っぽく。終わりか。長かった戦いにもようやく決着の時が。【智】「とどめぇっ!!!」刹那。【央輝】「——殺す」凄み。刺すような眼差しが背中まで抜ける。本気の目。睨まれた。殺される。ほんの一瞬、本気でびびる。【智】「……あ?」冷静になれば、それはただの脅しだ。そんなことをすればゲームが台無しなんだから。ここまできて、それはない。央輝という人間に合わない。のに。【央輝】「恐れ入ったよ、ここまでやるとは思わなかった,オメガ メンズ 時計。もう一つ、いいことを教えといてやる」【央輝】「あたしは、負けるのが、嫌いだ……っ」心臓が早鐘を打つ。足が震える。なに。怖い。目の前の相手が。どうしてこんなものがいるのか。【央輝】「噂を聞いたろ?」【智】「……え、あ、あ」殺される。殺されて殺される。殺されて殺されて、それでも足りなくて殺される。ここにこうしていたら。だめだ。逃げよう逃げよう逃げよう。足が動かない。萎縮して固定される。蛇に睨まれたカエルは、きっとこんな気分を味わいながら、真っ赤な口に呑まれてしまう。丸くなって何も見ないで聞こえないで——。【智】「あ」【央輝】「ルールの通り、指一本触れてないぜ……」【央輝】「だが、こいつでゲームオーバーだ。しばらくそうしてろ。そうすれば……」【央輝】「——————っ!?」恐怖が消えた。年末の換気扇をつけ置きしてさっと拭き取ったように、今の今まで胸を潰しそうになっていた感情が消え失せる。【智】「……………………あれ,クロエ トートバッグ 新作?」【央輝】「お前!」央輝がせっぱ詰まっていた。たぶん、消えたのはそのせいだ。【央輝】「おまえ、そんな」央輝が顔色を変えて凝視している。僕を。正しくは、僕の腕を。さっき階段から落ちたときに、制服が破れたらしい。痣が見えていた。【央輝】「いや、でも」【央輝】「それは……その痣、まさか……お前……お前ら、そうなのか!?」動揺している。考える。つまりこれは。【智】「いざ、さらばー!」大チャンスでした。【央輝】「あ、テメエぇっ!!」ブッチぎった。央輝が取り込んでいる隙に、最後の最後のラストスパート。死ぬほど走る。【央輝】「ま、まて……っ」【智】「待てない!」【央輝】「ひ、ひきょう……」【智】「卑怯未練はいいっこなし!」【央輝】「とにかく…ま、待て……!」【智】「絶対待てません!!!」さっきのは何が起こったのか。意味不明だ。央輝が何か仕掛けた。それは確実だけど。わからないので考えるのをやめる。今は勝たなくちゃ。もう一度、さっきのやつが来たら、今度こそ逃げられない。残り1分もない時間の勝負。だから走る。【央輝】「ま、」【智】「もう、」【央輝】「くおぉー」【智】「ちょっとー」【央輝】「くのーーーーーーっっ」【智】「たーーーーーーーっっ!!!!!!!!!!」ゴールイン——————————————。〔エピローグとプロローグ〕時刻は深夜を回っていた。【央輝】「約束通り、返してやる」【智】「返すだけじゃなくて……」レースには勝った。無事に……まあ、かなり無事じゃなく。転んだ怪我の治療をめぐって、るいたちから大層なお小言の一悶着があったことだけはいっておこう。(※ちなみに僕は頑として譲らず、一人で薬を塗った)【花鶏】「やったあーーーっ!」クリスマスプレゼントをもらった子供みたいに飛び跳ねる。最近の子供は飛び跳ねないかも知れないけど。【花鶏】「本、本、本、わたしの星、帰ってきたわ! やっと帰ってきた、長かった、苦しかった、戦いの日々だった!
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実はまだ奥の手があったんだ
(1 post)-
Posted 12 years ago #
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