「犯人は半月くらいで捕まったっておっしゃいましたよね。私もそれを新聞で読んだ記憶があるけど……。何がきっかけで逮捕されることになったんですか? 目撃者でも?」「それが、これまたこの犯行グループの稚拙なところでさ」板垣は苦笑した。「いや、笑い事じゃないんだけどね。犯行に及ぶ前に、彼らは数回、この教師一家の住むマンションに下見に来ていたんだ。そのときは、彼らの自家用車を使った,オメガ 時計 人気。ちなみに、犯行当日はレンタカーを借りてきてたんだけどね」 そしてその下見の時、マンション敷地内の駐車禁止区域に車を停めていた。「当然、常駐の管理人が見咎《 み とが》めて、どこの車だろうと気にしていた。駐車禁止区域に車があることで、苦情も来ていた。でも、住人の誰かを訪ねてきた客の車である可能性も高いわけで、すぐに抗議するわけにもいかないし、管理人としては、違法駐車があまり度重なるようだったら注意を促しますと約束する程度のことしかできなかったんだ。ただ──」 板垣は人差し指を立て、ちょっと目を細めた。「ただ、この用心深い管理人は、大切なことをひとつやっておいた。その車のナンバーを書き留めたんだ」 そして、事件後それを思い出した。警察は事情を聞き出し、車を洗い出し、AとBとを結びつけてC地点へ行ってみたら、そこに犯人の三人組がいたというわけだ。 思わず、滋子はため息をついた。なんという悲惨で馬鹿らしい事件だろう。「当時はずいぶん話題になった事件だったけど、今はまったく報道されていないね」と、板垣は言った。「たぶん、もう裁判が始まっているはずだけど……」「生き残った長男はどうしてるのかしら」 滋子の呟きに、板垣があらためて身を乗り出した。「そうなんだよ。彼の消息、どうなってると思う?」 滋子はきょとんとした。板垣の目が輝いている。「おいおい、しっかりしてくれよ。そもそも、何のためにこの事件の話を始めたんだっけ?」 そうなのだ。この事件の話は前置きだったはずなのである。「とんでもない偶然がどうとかって……」「そうさ。驚かないでくれよ」板垣は芝居がかって声を低くした。「この高校生の長男君が、大川公園の事件で右腕を見つけたんだ。彼が第一発見者だったんだよ!」 滋子はちょっと声を失った。話の脈絡を見失ったような気がした。「な……なんですって,coach 財布 アウトレット?」「だから驚くなって言っただろ。彼が、シゲちゃんを巻き込んでる今度のバラバラ事件の死体の最初の発見者なんだ。彼は未成年だし、関係者といっても単なる発見者だから、今はまだ彼のことはマスコミには伏せられている。放っとけばそのうちかぎつけられちまうだろうけどね」 板垣は気を持たせるように間《ま》をおいて、微笑した。「でも偶然はこれだけじゃない。まだある。これこそシゲちゃんに直に関わりのある偶然だ。俺をびっくりさせた偶然だ。というのはね、俺はこの一連の話を、昨日、まさに昨日だぞ、この喫茶室で、『シルバーライフ』時代に一緒に仕事をして、この防犯特集で組んでいたライターから聞かされたんだよ」 滋子は目を見張った。「本当ですか?」「ホントさ。嘘なんかつかないよ」 板垣はまともに滋子を見つめている,oakley メガネ。滋子も見つめ返した。 そして言った。「そのライターさんは、私の知っている人ですか?」「知らないと思うよ。成田っていうベテランライターだけど、俺も『シルバーライフ』で初めて組んだんだ」「それでその成田さんは、教師一家の事件を今でも取材してる?」「いや、していない。『シルバーライフ』の防犯特集の時に関わったきりだ」「じゃ、今度の大川公園の事件については?」「関心がないようだった。ライターとしてはね。彼はそういうタイプじゃないんだよ。ただ、この偶然に驚いていただけさ」 滋子はほっとして椅子に寄りかかった。「実は彼、佐和市の事件の当時に、問題の長男に会ってるんだ」と、板垣は続けた。「もちろん『シルバーライフ』の取材でね。ほとんど何も聞き出せなかったそうだけど、とにかく会ってはいる。それも何度かね」 滋子はうなずいた,クロエ トートバッグ 新作。ハンドバッグから煙草を取り出し、火を点けようとした。「俺にも一本くれないか」と、板垣が言った。ふたりは黙って煙草をふかした。 やがて、滋子は言った。「それでわかりましたよ、昨日と今日、続けて大川公園の事件の話を聞くなんて、ホントに偶然ですね」「うん」「だけど、それでわたしがどうこうってことは──」「どうだろうね」板垣はとぼけた。滋子はそうっと彼の顔を仰いだ。「シゲちゃん、どのくらいのやる気があるんだい,oakley サングラス 激安?」「やる気,オメガ メンズ 時計?」「ああ。この先、大川公園の事件に対する取材合戦は壮絶なものになるだろうと思うよ。昨日今日の展開から見て、こいつは前代未聞、空前絶後の事件になりそうだからね。はっきり言って、何の後ろ盾もないシゲちゃんが、そのなかで互角にやっていけるとは、俺は思わないな」 滋子は顔をあげた。だけどあたしには、今まで書いていた女性たちのルポがある──「書きかけのルポなんか、なんの価値もない」と、板垣はにべもなく言い放った。「問題は、これからどうするかだ。どういう切り口で、シゲちゃんがシゲちゃんだけのルポを書くか。
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彼が第一発見者だったんだよ
(1 post)-
Posted 13 years ago #
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