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五日市なんかに用はなかった

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  • Started 12 years ago by hsv515zs

  1. 小佐内の方は言うまでもなく、意地というやつ。氷谷の方はもう少し複雑だ。おれ一人の力で記事にできればそれに越したことはないが、これがもともと氷谷が教えてくれたことだというのも、忘れるわけにはいかない。つまり、全部一人でやっては、ネタだけ横取りしたようでどこか気が引けるのだ,ugg サイズ。氷谷は新聞部員ではないので,ugg ブーツ 取扱店。余計な気遣いだとはわかっているが。 新年一月の編集会議。ネタを説明するおれがいまひとつ胸を張れなかったのも、そこがひっかかっていたからだと思う。虎の子のページ、威風堂々とぶんどりたかったが仕方がない,ugg ブーツ オーストラリア。 会議そのものは、予定調和のうちに進んだ。つまり、まずはメインの記事をどうするか決める。決めるといって丸二月号は最初から「センター試験終了、受験本番へ。諸先輩からの金言特集」に決まっている。そして、いかにも思い出したように、堂島部長が持ち出した。「ところで、二月号のコラムは誰が書く」「おれが書きます」 間髪を容れず、名乗りを上げる,激安アグムートンブーツ。「瓜野か。何を書く」 おれは、いま市内で起きている連続放火について、新聞記事を交えて説明した。部長はいつもの仏頂面で聞いていたが、門地は馬鹿馬鹿しいとばかりに嘲笑《ちょうしょう》を作っていた。しかし部長が聞いていれば、門地に邪魔はできない。「そういうわけで、火の用心を訴える意味でも、これを取り上げたいと思います」 そう説明を終えると、堂島部長はおもむろに頷いた,アグ ブーツ 激安。「そうか。他に書きたいやつは。いないか。じゃあ、瓜野に任せる」 先例があれば、何事も信じられないほどあっさり通る。五日市が開き、氷谷が均《なら》した道に、おれは何の苦もなく踏み出した。 実は内心、岸が書きたがるのではと思っていた。十二月の会議で五日市がコラム新設を持ち出したとき、岸がそれに賛成したからだ。やる気のなさが顔にも出ているような岸が五日市を後押ししたのは、自分も何か書きたいからではと疑っていたのだ,アグ ブーツ クラシックミニ。しかし会議の間、岸は堂島部長の目を盗んで携帯電話をいじっているばかりで、何も言い出しはしなかった,アグオーストラリア。 これでスペースは貰った、ここからが本番だと意気込むおれに、しかし堂島部長が水を差す。「ただ、それだけのネタだと一人で調べるのは大変だろう。どうだ五日市、手伝ってやれるか」 突然名指しされて、五日市は目を丸くした。え、などと声を漏らしてもいる。 もっともそれは、おれも同じだ,ugg ムートンブーツ メンズ。一人で、それが無理なら氷谷と二人でやろうと思っていたのに、誰か背負い込まされるなんて思っていなかった。「できそうか」 部長の険しい眼光に射すくめられ、五日市はまごまごするばかりでろくな返事もできない。「でも僕は、先月書きましたし……」「お前に書けとは言ってない。瓜野一人じゃ苦労するだろうから、手を貸してやれないかと言ってるんだ」「でも僕は、先月も……」 明らかに、気乗りしていない。ちらと見ると、岸は自分にお鉢がまわってくるのを恐れるように目を伏せ、石にでも化けているよう。 どっちにしても、余計なお世話だ。おれは言った。「部長。おれ、一人でできます」「瓜野もそう言ってるし……」 五日市の情けない声がついてくる。「やるって言ってるんだ。やらせればいいさ」 突き放すように、門地が口を挟む。しかし今回に限っては、それがありがたかった。一人でやった方が幾分かマシだし、それで無理なら氷谷がいる。五日市なんかに用はなかった。 五日市の煮えきらない態度に、堂島部長も無理は通せない。ちらりと岸を見ることは見たが、どう考えても五日市以上に、引き受けそうもない。「しかしな、一人じゃあ」 それでも部長は、おれに任せようとはしないのだ。つい苛立った。「別に、誰もいらないって言ってるじゃないですか。そんなに信用できないなら、やめろと言われればいつだって退部しますよ」 すると部長は溜め息をついた。「それだ。その気性だよ」 わずかに身を乗り出して、「お前が一人でやりたがる気持ちは、わかる。できるだろうとも思ってる。その点は信用してる。 だがな、お前は少し、逸《はや》りすぎる。ここまで来て記事を書くなとは言わん。

    Posted 12 years ago #

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