DavidCadogan.ca Forums » DavidCadogan.ca

「いい意味で意固地な奴だと思ってやってください

(1 post)
  • Started 12 years ago by er98bj49

  1. 「しかし、ジルどのの|薫陶《くんとう》を受けたが故に、あの若者もあのような|一徹者《いってつもの》になったかと思うとな、実を言うと、少々恨みがましく思わぬでもないのだ」「わたしのせいにされては困ります。あの気性は初めてタウに顔を見せたときから少しも変わっておりません。将軍が責めるべきはあれの父親のゲオルグでしょうよ。言い出したら引かないところなど、よく似ています」「その|仁《じん》のことは陛下からも|伺《うかが》った。スケニアから来たという森の巨人のことだな」「ええ」 二人はタウの南峰で摘み取ったお茶をゆっくり楽しんでいた。 将軍がふと苦笑して言う。「我が娘に関わることでなければ、あの若者の態度は|潔《いさぎよ》しと誉めてやってもよいくらいのものだが……うまくいかんものだ」 ジルも笑いを|噛《か》み殺している。「いい意味で意固地な奴だと思ってやってください。少なくとも、あれには、お嬢さんを利用して成り上がってやろうなんて気は更々ないんです」「うむ。|希有《けう》なことだと思っている。腕や容姿に自信のある若い男なら、普通は当然、そちらのほうを狙うものだからな」 言いながら、ドラ将軍はもう三十年以上も前に見た一人の若者を思いだしていた,mcm 財布 メンズ。 そのころの将軍は十五か六、もちろん将軍などではなく、爵位を継いでもいなかった。毎日を剣術と馬術の修行に明け暮れ、それによって自分自身に確実に力がついていく過程がおもしろくてたまらなかったところで、まだまだ血気盛んなエミール少年だった。 ロアで開かれた馬術大会に飛び入りで参加し、名だたる強豪を一人残らず退けて優勝をさらっていったその若者は、エミール少年より一つか二つ年上だっただろう。細身ではあるが引き締まった体躯と若々しい獣のように敏捷な身のこなしが印象的だった。 馬自慢のロアの男たちが感嘆するほど巧みに馬を操り、|槍《やり》を操るその若者に、会場からは驚愕の大歓声が上がった。まだ健在だった将軍の父、当時のドラ伯爵も感嘆の声を発したものだ。「見ない顔だが、何者か?」 父の側に控えていたエミール少年もまさに同じことを思っていた。その伯爵の問いかけに答えたのは誰だったか……。「あれは確かポリシアの、ベリンジャーのジョルダンです」「なんと、あれがそうか」 その名前にエミール少年はさらなる興味を覚えた,mcm バッグ メンズ。 デルフィニアの大|穀物《こくもつ》|庫《こ》であるポリシア平原の、あれが次の領主かと納得し、自分もいずれはロアという大きな領地を継ぐ身であるだけに、この機会に言葉を交わしてみたいと思った。 凛とした顔立ちの色白の美少年でありながら、大の男も顔負けの技倆を見せて大会に優勝したジョルダンに伯爵も興味を覚えたらしい。|褒賞《ほうしょう》の言葉を掛けるとともに、ロアの屋敷に立ち寄るようにと誘ったのだが、伯爵の前に立った若者の態度はひどく|不遜《ふそん》だった。「ほんの腕試しに出ただけのこと」 と鋭く眼を光らせたまま、褒賞されるのが|煩《わずら》わしいとばかりの態度で言い、伯爵の誘いもつっけんどんに断り、挙げ句の果てには、「馬にかけては中央一だというロアの衆もたいしたことはないな」 吐き捨てて背を向けたのだ。 こうなっては好感情など持てようはずもない。 それどころか、エミール少年は自分の顔が真っ赤になるのを感じていた。ドラ伯爵家は代々の王国の重鎮である,mcm バッグ。当時の伯爵も立派な領主として民衆に慕われ、優れた武人として国王から深く頼りにされ、エミール少年にとっても他の何より誇りとしている父だった。
    相关的主题文章:

    Posted 12 years ago #

RSS feed for this topic

Reply

You must log in to post.