夜露が窓をつつんで 悪い予感のかけらもないさ あの娘のねごとを聞いたよ ほんとさ確かに聞いたんだ カーラジオからスローバラード 夜露が窓をつつんで 悪い予感のかけらもないさ ぼくら夢を見たのさ とってもよく似た夢を この歌を初めて聴いたのは十五歳のときだった。ライブハウスで、あるバンドがコピーしていた。そのときは、いい歌じゃん、とそれしか思わなかった。けれど三年後、本物の「スローバラード」を聴いて私は実に驚いた,hermes ガーデンパーティ TPM。同じメロディ、同じ歌詞の歌が全然違ったのである,エルメス 手帳 オレンジ。泣きそうになった。声、というものがいかに力を持つものかそのとき知った。 何度も何度も繰り返して聴き、ようやく泣きそうにならずに落ち着いて聴くことができるようになったとき、私は一つの決心をした。好きなひとができたら、絶対車の中で毛布にくるまって寝よう。絶対そうしよう。運のよいことにそう決心した私は女子校を卒業して大学生になり、同い年の男の子というものに接する機会を与えられた。いきなりたくさん現れた若い男の子たちに緊張しながらも、「車の中で一緒に手をつないでラジオを聴いて寝てくれるようなひと」を捜した。 男の子と口をきくのも慣れたころ、私にもボーイフレンドらしきひとができた。しかも彼は車を持っていた,hermes バーキン。けれど「どこへ行きたい?」と訊《き》かれても、さすがに「駐車場に行って寝たい」とは言えず、(それが多分大きな誤解を招くことは重々承知していた)なかなか理想は実現されなかった。あるとき彼は私に好きな音楽を尋ね、「清志郎」と答えると、彼には彼なりのイメージがあったらしく眉間にしわを寄せて、「ああいうのが好きなの?」と、こわごわ訊いた。このひとはあの歌を聴いても、多分何も感じないだろうと、若き日の私は冷めた気持ちで思ったのだった。 しばらくたって「スローバラード実践作戦」も忘れかけたころ、私は当時一番仲の良かった男の子と遠くまでお花見にいった。徹夜でいって夜桜を見て、明くる朝寄った牧場でいきなり激しい睡魔に襲われ、私たちはすこーんと眠ってしまった。すぐそばでは牛が草をはみ、あたりは家族連れで賑わっている。その真ん中で、無防備にも爆睡した。 目が覚めて私たちはなかなか恥ずかしい思いをしつつ、車に乗りこんだ。その車の中で彼はテープをかけた。何曲目かに「スローバラード」が流れてきた。牛と家族連れに囲まれて眠るのはさすがに比べものにならないが、私は充分楽しくて、幸せで満ち足りていて、それなのにふと泣き出したくなった。初めてこの歌を聴いたときのように。 年を重ねるにつれ、私の中でこの歌の意味はいろいろと変わり続けた。確かに恋愛は、ドライブして車の中で仲良く手をつないで寝るだけのものではなかった。愛しさも涙も嫉妬も汚さも美しさも、全部を乗せて時間はどんどん過ぎ去っていってしまう、その残酷さも、この歌には全部つまっていた。一番最初に聴いたとき、どうして泣きそうになったのかわかった。恋愛がどんなものか知らなかった私にも、この歌の持つかなしさだけはちゃんと届いたのだ,エルメス ブログ モンブラン。声と歌詞とメロディとがとけあって、こんなにも饒舌《じようぜつ》な歌を私はほかに知らない。 この歌を聴き続けてもうずいぶん時がたち、さすがに「スローバラード実践作戦」を真剣に練ったりはしていないが、「毛布にくるまってラジオを聴きながら車の中で一緒に眠れるひと」、つまりこの歌の良さを共有できるひとが好みなのは変わっていない。[#改ページ] 人を喜ばせるプロフェッショナル 人の記憶に貼りつくように残ることができるのは、間違いなくその人の才能である,hermes バッグ 種類 一覧。 私の母は三人姉妹の真ん中である。私の幼少時代、末の妹が我が家に転がりこんできて一時期一緒に暮らした。彼女は私を呼びつけては、「私はおばあちゃんの子じゃないのよ、あんたのお母さんと大きいおばちゃんだけがあの家の娘なのよ、私は橋の下で拾われたのよ」と、赤い箱の煙草をすぱすぱ吸いつつ語った。そんなあからさまに嘘だとわかる台詞《せりふ》でも、幼い私を「かっこいい!」と思わせるには充分であった,エルメス 長財布 黒。-------------------------------
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なかなか理想は実現されなかった
(1 post)-
Posted 12 years ago #
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