」 朝薫は会話の意図がわからないわけではない。自分からヒントだけを聞いて隠密に行動するつもりなのはわかっている。なぜ素直に核心だけ話してくれないのか。こんなときいつも自分がちょっと悲しい思いをしているのを寧温に知ってほしかった。「大禁物と王府の裏金が関係あるんだろう?」「まだはっきりしたことは申し上げられません。調査の糸口になるかと思っているだけです」「きみは確信したときしか行動しないじゃないか。帰帆改帳を閲覧しているのを大っぴらにして誰かが引っ掛かるのを待っているんだろう?」「釣り糸を垂らしただけです。餌《えさ》はついていません」 寧温は調査と同時に組織の全容を解明するつもりだ,aokley サングラス 通販。間もなく評定所に馬《ば》親方がやってきた。「おい宦官。誰の命令で帰帆改帳を閲覧しておるのだ。過去の資料を見たければ儂か三司官《さんしかん》殿の許可が必要なのはわかっておるだろう」 馬親方は机の上に開いていた帰帆改帳を取ると、元に戻すように命じた。「申し訳ありません,オメガ シーマスターアクアテラ。今後の交易の参考になるかとつい出来心で閲覧しておりました」「おまえの行動は目に余るぞ。勤星《きんせい》の査定に響くと覚悟しておけ」「では改めて許可を願います。御料理座の過去の帳簿を全て閲覧したく存じます」 御料理座と聞いた馬親方の顔が強《こわ》ばった,chloe 財布 人気。寧温は馬親方の一挙手一投足を見逃すまいと観察している。「今後の冊封使様のおもてなしの研究をしたいのです。牡蠣《かき》や鮑《あわび》などの他にも養殖した方がよい食材があるかと思いまして」「御料理座のことは庖丁人たちに任せておけ。評定所が首を突っ込む世界ではない」 と一喝した馬親方は憮然《ぶぜん》と評定所を後にした。寧温はこれは想像を超えた組織が裏で動いていると目を丸くした。「驚きました。てっきり怒鳴ってくるのは清国派の向《しょう》親方だと思っていたのに、薩摩派の馬親方が反応しました」「釣った魚は当てが外れたのかい?」「いいえ。馬親方が向親方を庇《かば》ったということです。あの二人が共闘しているとなると、もう評定所の全てが疑わしいということです」 朝薫がまた悲しそうな顔をしているのを見た寧温が咄嗟に訂正する。「あ、朝薫兄さんを除いてです。どうか首を突っ込まないでください,OAKLEY サングラス 店舗。この事件に巻き込まれると朝薫兄さんの出世に響きます」「ぼくには道の話をしてくれないんだ……。銭蔵奉行の儀間親雲上から寧温を補佐するように言付かっているのに。なぜいつも自分だけで事を進めようとするんだ?」「知れば後に退けなくなります。ご縁談がまとまらないうちに話をするのは酷かと……」 朝薫はカッとなって机を叩いた。「人の縁談のことまで心配してくれなくて結構だ! ぼくは出世も名誉も望んでいない。たとえ障害があったとしても、今ある道を真っ直ぐに歩きたいだけだ。王府の役人はみんなそうやって歩いてきた。王朝が五百年続いたのは、彼らが切り開いてきた道が正しかったからだ。その道を閉ざそうとするならぼくは寧温といえども許さないぞ!」「ごめんなさい……」 朝薫の語気に圧倒されて、寧温の胸が熱くなる。目の前にいる朝薫が何と凜々《りり》しいことだろう。少年から男へと変わる階梯《かいてい》がこんなに早いものなのかと初めて知った。眼差しの優しかった少年が、いつの間にか信念を宿した男の目に変わっていた。朝薫は精神的にも身体的にも自分を超えてしまったと寧温は感じた。少女がゆっくりと女へと変わるのに比べて、男の変容は一瞬のうちに終えてしまう,chloe 財布 新作。瞬間に全容が変わる万華鏡《まんげきょう》を見るようだ。雅博《まさひろ》にあって朝薫になかったもの、それが今の朝薫に備わっている。「悪いが寧温。輸入品の売買に関してはぼくの方が専門だ。球商の動向を把握してきたのはぼくだからね。ぼくがいれば調査は迅速だ。それに大禁物の密輸なら方法がないわけじゃない。以前からぼくが厳重に調査するべきだと指摘してきた海域があるんだ」 寧温は朝薫を人目のつかない龍潭《りゅうたん》の畔《ほとり》へと誘った。なるべく驚かせないように慎重に言葉を選びながら、それでも明確に言葉を放った。「朝薫兄さん、捜査にご協力をお願いいたします。実は、王府に、阿片が入ってきているのです」 朝薫は衝撃を受けたまましばらく言葉を失っていた。[#ここから2字下げ] 覚 評定所筆者主取 孫親雲上 同筆者 喜舎場親雲上右者共事役儀粗相有之付当時之職位被召外、孫親雲上江ハ南苑構主取、喜舎場親雲上江ハ同相附被下置候間、今更猥王城不致徘徊様御指図ニ而候事。 王府重役[#ここで字下げ終わり] 次の日、王宮に出勤してきた寧温は西之廊下の高札《こうさつ》に辞令が貼られているのを見つけた,coach 財布 新作。高札の前は押すな押すなの人だかりだ。肩の隙間を押し分けるように辞令を読んだ寧温は息を呑んだ。そこには寧温を王宮外へ転属させる辞令が貼られていた。-------------------------
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朝薫は精神的にも身体的にも自分を超えてしまったと寧温は感じた
(1 post)-
Posted 12 years ago #
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