「ねえ、本当にお嫁さんもらう気なのかしら」由加里がつぶやき、「刺戟されちゃったんでしょ、敬老会館のお仲間で、一緒になった人がいるから」「うまくいくのかしら、七十過ぎてても」「馬鹿だねえこの子は、茶飲み友達っていうのよ」親娘、なにやら好色そうな表情浮かべるのを、吉平、ぬかりなく見届けて、また話題に割り込む、「やっぱり茶飲み友達だけじゃつまらんよ、そこは男と女なんだから、いくら年をとっちゃいても」「だけどお爺ちゃん、敷居にけつまずいてころぶじゃないの、あやしいもんだな」「少々体は弱っていても、そこは心意気というもんだ」「心意気だって、カッコいい」由加里、甲高い声を出し、その突き出た胸や、むっちりと肉の張った腰つきを、吉平、じろじろながめる,オメガ 時計 人気。「およしなさいよ、お爺ちゃんからかうのは、本当にその気になって、どっかのお婆さん連れてこられたら一大事だわ」「本気じゃないの? ああやって毎日、体操してるんだし」「冗談じゃないわよ」嫁の口調がふっと冷めたく変ったから、「山本リンダさんは、今日出るのかな」「さあねえ」「リンダさんはかわいいなあ、こうして、後向きになったところが何ともいえん」吉平は、片手をぐるぐるまわしつつ、よろめき歩き、嫁たまらず吹き出す,aokley サングラス 通販。「本当に気だけは若いのね」「体だって、しゃんとしたもんだ」言い捨てて、吉平、自分の部屋に入った。「段々ひどくなるわね」「よたよたしちゃって、もう長くはないんじゃない,chloe 財布 リリィ?」「聞えますよ」「大丈夫よ、この前ためしてみたの、縁側にすわってたからね、お煎餅パリパリ食べながら一歩ずつ近づいたんだけど、そうねえ、すぐ後でなけりゃ、気がつかないのよ」「へえ、そうかねえ」「あれだけ食いしん坊なんだから、お煎餅の音が聞えたら、じっとしてないわよ、すぐ手を出すところでしょ。だからもうほとんど聾《つんぼ》に近いんじゃない?」「でもねえ、これでころっと死ぬんなら、お爺ちゃんは幸せな人ですよ,oakley メガネ。さんざわがままを通して、やりたい放題に生きて来たんだからねえ」嫁、しみじみといい、「ふつうはお姑さんにいじめられるもんでしょ、家はちがうんだから、お婆ちゃんはとってもよくできた人で、ちっともいやな思いしたことがなかったのに、お爺ちゃんが口喧しくてねえ、お父さんと結婚したのか、お爺ちゃんの小間使いに雇われたのか判らないくらい」「そうねえ、私なんかもよく部屋へ入りこんで、怒鳴られたもん」「ふつうなら孫を猫っかわいがりして当然なのに、うるさいうるさいって近付けないんだからねえ、本当に、子供たちの遊び相手でもしてくれりゃ、少しはかわい気があるけど」「でもいいじゃない、もう少しの辛棒なんだから」「長過ぎますよ、由加里も気をつけた方がいいよ、長男のとこへなど嫁にいくと、とんでもないことになるから」 べつに聞耳立てるまでもなく、襖一枚隔てた親娘の会話は、吉平、十分に聴きとれる,coach 財布 アウトレット。嫁の言葉にも、腹立たしくは思わず、自分の死が、心待ちにされていると判って、悲しむ気持もない。若い連中のことを、いちいち気にしてたってはじまらぬ、それよりも、いったいこの先き何年続くのやら、見当もつかぬ自分の余生を、少しでも快適に過すべく、その工夫が肝心だった。 二年前までは、吉平もよく苛立っていた、もともと気性の強い方で、またそれだけが資本、トラック一台からはじめて、どうにか運送会社を経営し、戦時中、また戦後の物資不足の時代には、ずい分危い橋もわたり、夜の眼も寝ずに働いたものだ。息子も一人前になったし、世の中落着いて、雲助同然の稼ぎもままならぬとなり、吉平は社長から、名ばかりの会長に退き、後は楽隠居の心づもりが、どっこいそう胸算用通りには運ばず、息子に器量がないのか、世の中が悪いのか、会社が左前となって、ふたたびカムバック,ルイヴィトン 財布 モノグラム 三つ折り。 運送屋だけでは駄目だと、手を出した建築業が、かえって仇となり、銀行からの借金がかさむばかり、のうちはまだよかったが、やがて二進《につち》も三進《さつち》もいかず、同業に吸収合併。しかも会社の借金を少しでも減らしておいた方が、以後有利だからと、青山四谷にあった土地を売って、郊外へ居を移し、あたらしい会社には、吉平のような古手の居場所がなくて、息子が常務におさまり、まあ、倒産するよりはと、あきらめていたのだが、企業の論理はきびしくて、三年たつと、息子は平取に追いやられ、月々暮しに困らぬ程度の給料は与えられたが、まったくの閑職、もとより先きの見込みもない。 少しは奮起してもよさそうなものを、何の屈託もなく、息子、敷地だけは広いから、アパートを建て、それだって、同じやるなら、借金してでもマンションにすればいいものを、みみっちい木造二階造り、老後は庭いじりでもして過ごすはずが、眼と鼻におしめやらネグリジェ風にひるがえって、うっとうしいことこの上ない。 こんなことになるなら、都心の土地を売る必要はなかったのだ。合せて三百六十坪あったから、今売れば二億近いだろう、その利子でのうのうと暮せたはず、わが息子ながら、目先きが利かず、小心なふるまいを見ていると怒鳴りつけたくなるし、また、その気の弱さにつけこんで、尻に敷きっぱなしの嫁も気に入らなかった。 なにかといえば、亭主をののしり、一切合財わがもの顔に切りまわして、いかに落ちぶれたといっても、現在、まずは不自由なく暮らせるのも、吉平のおかげなのだ、にもかかわらず小遣いくれるにも、恩着せがましいものいいをし、あまりにだらしがなくて、部屋が取散らかっているから、つい片付けてやると、「お爺ちゃんがいじると、必ず何かなくなるんだから」など、逆ねじを食わせる。
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