こりゃあ、おめえ、千両だよ。千両にあたるんだよ」「あたるとよろしゅうございますなあ」「なにいってやんでえ。あたるにきまってるじゃあねえか。あたったって、てめえなんぞにやらねえぞ」「そんなことは、どうでもようございますが、あなた、はやく境内《けいだい》へおまわりください。もう突きはじめますから……」「ああ、いくとも、いくとも、いって、千両あててくらあ……ああ、ありがてえ、ありがてえ」 境内にはいってくると、もう一ぱいの人でございまして、朝から般若心経《はんにやしんぎよう》をあげております。寺社奉行からは、係りの者がふたり出張し、町役人、そのほかの世話人なども、麻がみしもでひかえております。般若心経の読経《どきよう》がおわりますと、正面におかれてあります富札のはいった四角の箱を、役人、世話人、立ちあいの上で、ガラン、ガラン、ガランとゆりうごかし、なかの札をていねいにかきまぜます,oakley メガネ。長いきりを持った小坊主がでてきて、まんなかの穴へうまくきりをうちこみます。きりのさきへ札がついてるまま、手をつけないで場内へみせまして、わきから、また小坊主などが読みあげます。子どもの声というものは、甲高《かんだか》くひびきますので、子どもがこれを読みあげました。口富《くちどみ》、中富《なかどみ》と順に突いてまいります。そのたびに、場内はわれっかえるようなさわぎですが、いよいよ本日の突きどめとなると、千両富ですからたいへんで、「突きまーす」とくると、場内は、たちまち水を打ったように、しいーんとなります。この番号を聞きもらしてはたいへんだというので、咳《せき》ばらいひとつする者はございません。やがて、突きあげた札を読みあげます。「鶴の……千五百四十八番……鶴の千五百四十八番……」 これが耳へはいったからたまりません。八五郎、へたへたと坐りこんでしまいました。「ああ、ああ、あー……たった……たった……たった」「なんだ、なんだ、おかしな野郎だな。立った、立ったって、坐っちまったじゃあねえか。どうしたい?」「たった、たった……」「まだやってやがら……えっ、なに? あたった? おめえが,ルイヴィトン 財布 レディース? 千両に? ……へーえ、なんて運のいい野郎なんだ。ちくしょうめ、ほんとうにあたったのかい? はやく金をもらってこいよ……あれっ、腰をぬかしちまって、立てねえんだな。おーい、みんな手を貸してくれ,ルイヴィトン ショルダーバッグ! こいつをかついでってやろうじゃあねえか。ほーれ、えっさ、えっさ、えっさ」 みんなおもしろ半分にかついでまいりましたが、なかには、くやしいからってんで、八五郎の尻をつねったりして……帳場のようなものができておりますところへ、八五郎をおろしました。「どうなさいました?」「いまね、この人が、千両あたったんで腰がぬけちまったから、みんなでかついできてやったんだ」「そりゃあ、どうも、ご親切にありがとうございます。どうもお世話さまでございました。さあ、さあ、あなた、どうぞこちらへ……」「千両、千両……あた、あた、あたた」「あなた、しっかりなさいよ……まあ、無理もございませんが……さあ、札をこちらへ……」「ふ、ふ、札は、これだ」「ああ、たしかにあたっております。どうもおめでとうございます」「はやくくれよ、千両、千両……」「まあ、おちついて、おちついて……おい、このかたに、水を持ってきておあげ……さあ、あなた、まず、この水をお飲みになって、ぐっとお飲みになれば、気がおちつきますから……どうです? すこしはおちつきましたか? まあ、とにかくよかった,クロエ 二つ折り財布。いや、なかには、千両あたったとたんに気がちがうなんて人がおりますからな……で、おちついたところでおはなしいたします。ご承知でもございましょうが、いますぐにお金をおうけとりになると、二割のご損になります。来年の二月の末におとりになれば、千両そっくりおわたしいたします」「じょ、じょうだんじゃあねえ。来年二月なんて、そんなのんびりしたことをいっていられるもんか。この金を持って帰らなけりゃあ、うちじゃあ離縁さわぎがおこってるんだ,ヴィトン 財布 メンズ。……いま、もらってくよ。すぐに……」「では、さきほど申しあげましたように、二割びけということになりますが……」「な、なんだと……二割びけ,chloe 財布 lily? そんないかさまがあるもんか」「いえ、これは、きまりになっておりますんで……」「ど、どういうことになるんだい?」「千両の二割びけでございますから、八百両おわたしすることになりますな」「は、は、八百両? 八百両てえなあ、千両より多いのか?」「勘定がわからなくなっちゃあこまりますな。千両から二百両ひけますから、それで八百両でございます。よろしゅうございますか?」「い、い、いいよ、いいよ。その、八百両くれよ、くれよ。もらってくから……」「ええ、ただいま、さしあげます……さあ、これが八百両でございますが、なかなかかさばるものでございますよ。一|包《つつ》みが一分金百枚で、二十五両になっておりますから、三十二個ございますが、どうやってお持ちになります?」「うへー、これが、みんなおれの金かい? うーん……どうやって持ってくったって、こうやって、両方のたもとへいれて、ふところへいれて、背なかへもしょって……うわーい、からだじゅう金になっちまった。
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その、八百両くれよ、くれよ
(1 post)-
Posted 13 years ago #
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