Mというのは、どこの方言なのだろう。この青年の生れはどこなのだろう。軍隊ではそんなことをいって飲んでいたのだろうか。『小野圭』をおいて私が考えこんでいると「にいさん」 長井が声をかけた,オメガ 時計 人気。「えらいごうせいやないか」 ジャンパーは蒼ざめて手を暗がりのさらに奥につっこみ、血走った眼で、ちらとこちらを見た。けわしく、はげしい、キラキラ輝く眼であった。顔をそむけずにはいられないような、刃物じみた鋭さであった。長井はにこにこ笑い、ずうずうしくしんねりと、いつもの他人事《ひとごと》みたいな口調でいった。「一杯飲ましたってや、にいさん」 ジャンパーは苦心して一升瓶をぬきだし、埃を手で払うと、ずかずかたちあがり、ほしけりゃほしいようにしろと口のなかでつぶやいて、大股に消えた。長井は美しく笑い、のこのこふとんからぬけだすと、小さな薄い腰を傲慢《ごうまん》にふってあとについていった。 しばらくして彼は両手に茶碗を持ってそろそろとすり足でもどって来た。彼は眼じりを皺だらけにしてくすぐったそうに笑い、もろた、もろたといった。私は体を起した。手にわたされた茶碗を覗いてみると、お粥《かゆ》を薄くしたような液がとろりとよどんで、つよく酸っぱい匂いをたてていた。長井はポケットからスルメをとりだし、二つに裂いてくれた。彼は茶碗のどぶろくをひとくちすすり、スルメをうまそうに頬ばった。「このドブはしぼりたてやそうやで。昨日|西成《にしなり》のええとこへいって買うて来たんやそうや。朝鮮人部落へいってナ、便所わきで湧かしたやつをフキンでぎゅうッとしぼって、それをバケツにうけて、それを一升瓶につめて、ゆさゆさとゆすぶりたてて持って来たのがこれやね。ちょっと雑巾の匂いがするやろ,coach 財布 アウトレット?」「する、する,ルイヴィトン 財布 モノグラム 二つ折り。なんや、こう、むうッとくるワ」「飲み慣れるとそこがええちゅうねん」 カストリでは一度したたかな目に会ったことがあるけれど、どぶろくは私ははじめてだったので、いやな匂いだと思ったが、スルメを齧《かじ》りつつ飲んでいると、いつのまにかなくなってしまった。意外なことに長井は見ず知らずの人間にあれだけずうずうしい口をきいておきながら酒にはひどく弱くて、茶碗を半分も飲まないうちに顔から、眼、髪まで真ッ赤になってしまい、苦しそうに肩で息をしながら、ふとんによこたわった。「おい、大丈夫か?」 私が眼を覗きこむと彼は真ッ赤な眼を瞠って「おれ、あかんねん」 よわよわしげにつぶやいた,chloe 財布 新作。 茶碗をジャンパーのところへ返しにいくと、青年は股をひらいて四斗樽に腰をおろし、半長靴で七輪を抱くようにしてスルメを焼いていた。もう一人まったくおなじ恰好をした青年が茶碗のどぶろくをぐびり、ぐびりとあおり、眼と額を真ッ赤にしていた。裸電燈のしたで見るとこの二人がうつろだが激しいまなざしでぎょろり、ぎょろりと暗がりをにらみつけているところはまったく幽鬼の酒宴であった,ヴィトン 長財布。「坊、勉強してんのか?」「ええ」「いいな。勉強できてナ」 ジャンパーは七輪の煉炭の青い火を眺め、ものうげにつぶやいた。額が脂ぎり、蒼ざめた頬に筋ができ、くちびるがふくれあがっていた。彼の体のまわりには何か荒あらしいものがうごき、じっとコンクリート床を瞶《みつ》める眼は乾ききっていた。「高等学校は文科かね、理科かね」「文甲のつもりですけれどね」「ドイツ語をやるのか?」「そうですね。英語とドイツ語です」「ドイツ語はデルの、ダスのと大騒ぎっていうんだ,ヴィトン 財布 モノグラム。知ってっか。おれだってちょっとかじったことがあるんだ。ドイツ娘は風呂へ入ってもフロイラインてのもあったナ。そんなことしかおぼえちゃいないがね」「…………」 私にはいいたいことがあった。しかしジャンパーは体じゅうから酸っぱい匂いをたて、眼はその匂いのなかにとじこもって、まったく私を眺めていなかった。もう一人の青年も煉炭の熱にあぶられて真ッ赤な顔になり、静脈の浮きだした白くて硬い手で額の脂をぬぐいつつ、ぼんやりしていた。ふとジャンパーは顔をあげて私がそこに佇んでいるのを見ると、おどろいたように「もういいよ。寝なよ。おれたちも寝っから」 といった。 倉庫の奥にもどると、長井がふとんにくるまったまま細い腕を剥《む》きだし、すさまじい木刀を握りしめて、しげしげと眺めたり、軽く素振りをくれたりしていた。どうしたのだと聞くと、ふとんがごろごろしてしかたないのでしらべてみたらこれがでてきたのだといった。野太い、樫材《かしざい》の、りゅうりゅうとした木刀で、あきらかに兇器の匂いがあった。ジャンパーたちが使うつもりでかくしておいたものらしかった。 長井は真ッ赤な目で笑った。「あいつら、本気やぞ。本気でやるつもりらしいぞ。すごい逸物や。わあ」 めまいがしたらしく彼は木刀を投げだし、固く目を閉じてふとんにもぐりこんだ。咽喉が気味わるくうごいてしきりに生唾《なまつば》を呑みこんでいるのは吐気をこらえているらしい気配であった。私はシャツをぬいで彼のよこのふとんにもぐりこんだ。ズボンははいたままにしておいた。ふとんの襟はひどく生臭い匂いがしたが、しばらくこらえているうちに体温でとけ、なつかしいものに感じられた
相关的主题文章:
DavidCadogan.ca Forums » DavidCadogan.ca
すごい逸物や
(1 post)-
Posted 13 years ago #
Reply
You must log in to post.