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雪の積もった広い歩道の真ん中に——

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  • Started 12 years ago by h31592up

  1. いいから捨ててけ」「でも……きっと、あの人にとっては、大事なものだと思うし、オレは持ってても、|邪《じゃ》|魔《ま》にならないから」「きたねーから、よせよ。そんなもん、早く捨てろ。ばっちいぞ」 京介は、一歩も|譲《ゆず》ろうとしない。 智は、困って、狼の顔を見た。 狼は、ふっと笑ったようだった。「私がお持ちいたします。それなら、よろしいでしょう」 京介は、不満そうな顔をした。 だが、智が、狼に|風《ふ》|呂《ろ》|敷《しき》包みを手渡すのを、止めようとはしなかった。 * * あたりに|漂《ただよ》っていた男の|臭気《しゅうき》は、ようやく消えた。 広い車道を、ひっきりなしに車が通りすぎる。 ふいに、ピリリと冷たい風にまじって、智のうなじのあたりを異様な|気《け》|配《はい》が突きぬけた。「え……?」 智は、首の後ろを押さえ、周囲を見まわした,コーチ ショルダーバッグ。 夜の|札《さっ》|幌《ぽろ》の|街《まち》を|彩《いろど》るネオン。 白い息を吐きながら、智に気づいて、思わず立ち止まる中年のサラリーマン,コーチ アウトレット。 |露《ろ》|骨《こつ》に智を振り返って、キャアキャア騒ぎながら去っていく女子高校生たち。 狼は、すでに歩道の|際《きわ》に行って、タクシーをつかまえようとしている。 京介が、|不《ふ》|思《し》|議《ぎ》そうに智を見た。「どうした、智?」「変な気配がしたんだ……」 智は、もう一度、周囲に視線を走らせた。 三人をチラチラ見て通りすぎる、女子高校生二人組——これは、違う。 |街《がい》|路《ろ》|樹《じゅ》の|脇《わき》にずっと立ち止まって、智から目が離せなくなってしまったらしい中年のサラリーマン——これも違う。 勤め帰りらしいサラリーマンの一団——違う。(おかしいな……わりと近くにいるような気がしたんだけど……) 智は、ぐるりと体をまわして、真後ろを見た。 雪の積もった広い歩道の真ん中に——。 白いフェイクファーのコートを着た、|髪《かみ》の長い美女がいた。 コートの前は、この寒空に開けっぱなしだ。 |衿《えり》ぐりの大きい、青のボディコンシャスなドレスを着ている。 細い腰には、|派《は》|手《で》な金のチェーンベルトが揺れていた。 二十二、三歳だろうか。 ゆっくりした足どりで、こちらに歩いてくる。(あれだ……!) 異様な|気《け》|配《はい》は、その美女のほうから|漂《ただよ》ってくる。 智は、無意識に息を吸いこんだ,コーチ 長財布。(あの女、敵なのか……? 攻撃してくるのか……?)「どうした、智……おい? 変な気配って、|怨霊《おんりょう》かなんかか?」 京介が、心配そうに尋ねてくる。「智さま、どうなさいました?」 狼が、智のただならぬ様子に気づいたようだ,コーチバッグ。 きびきびした動作で、智のそばに戻ってくる。「智さま?」 何があったのかと尋ねるような、狼の声。 だが、智の全意識は、こちらにむかって歩いてくる美女にだけ、集中している。(敵だとしたら、|狙《ねら》いはなんだ……,コーチ ビジネスバッグ? どうして、あの女の|霊《れい》|気《き》が読めないんだ……?) 智は、極度の集中状態で、口をきくどころではなかった。 美女は、夜そのもののような|黒《くろ》|髪《かみ》を揺らして、智に近づいてくる。 |不《ふ》|思《し》|議《ぎ》なことに、あれだけの|美《び》|貌《ぼう》なのに、女に注目する人間はいない。 通りすぎる人々は、智たち三人にしか、目をむけない。 あと五メートルほどの距離に来た時、美女の|瞳《ひとみ》が、智を|捉《とら》えたようだった,コーチ 店舗。 その瞬間、すさまじい恐怖と、|圧《あっ》|迫《ぱく》|感《かん》が、智を襲った。 一瞬、現代的な|装《よそお》いの美女の姿に、同じ顔で、|能装束《のうしょうぞく》を着た美女の姿が、|幻《まぼろし》のように重なって|視《み》えた。 能装束を着た美女は、|果《か》|羅《ら》|姫《ひめ》だった,コーチ 財布。 それを視てとるあいだにも、智の精神への攻撃はつづいている。 理由のわからない激しい恐怖が、智の胸のなかで、荒れ狂っていた。「智、どうした? |大丈夫《だいじょうぶ》か?」 京介が、前にまわりこみ、智の視界に入ってくる。 周囲の人間たちが、智たち三人から離れて歩きはじめる。 わけはわからないなりに、無意識の部分で、異変に気づいたのだ。 通行人たちは、自分ではそうとは自覚せずに、智たちと果羅姫の戦いに、巻きこまれるのを避けているようだ。 皆、智たちを見て見ぬふりをしている。 いや——離れて歩く人々のなかで、一人だけ、こちらに近づいてくる男がいる,コーチ アウトレット。 さっきの、髪の長いホームレスふうの男だ。 男は、立ち止まっては、チラチラと智たちのほうをうかがっている。 狼が、|気《け》|配《はい》に気づいたのか、男を振り返ったようだった。 だが、狼は、何も言わない。「エンルムカク・オマンカムイ・エペムタウイ」 |謎《なぞ》めいた言葉と同時に、果羅姫が、白い手をあげて、京介を指差す。 すると——。 京介が、いきなり、歩道にうずくまったように、智の目には|視《み》えた。「京介……?」 うずくまった京介は、苦しげにうめいた。 見る見るうちに、京介の体が変化していく。 |額《ひたい》が|狭《せま》くなり、耳が伸びはじめ、|顎《あご》の形が変わる。 それと一緒に、背中が|弓《ゆみ》なりになり、腰がグググッとあがり、手足の骨格が変わった。 全身から、ザワザワと白い毛が|生《は》えてくる。
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    Posted 12 years ago #

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