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」と、王女は訊いた

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  • Started 13 years ago by casparqpr

  1. casparqpr
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    。 他にもう誰も来なくても、芳裕はたまにここへ来るとやはり蝋燭を灯す,chloe 財布 人気。 思い出を大切にしているのではなく、蝋燭を灯さないとみんなに怒られてしまう、という子供のときの恐れがいまだに抜けないからだった。 それに今でもときどきここに来るというのも、つらいときや悲しいとき、自分を見つめなおそうと思うとき一番好きなこの場所に、などといった脳味噌に花が咲いたような理由ではなく、このあたりをランニングのコースにしているからときどきここで休むだけのことである。 蝋燭に火を点けた芳裕は、椅子とテーブル代わりに置いてある林檎《りんご》の木箱に積もった埃を払い、王女に座るよう勧めた。 自分は座らず、「まだあるかなあ」もう何年も見てないからなあと、ぶつぶつ言いながら地面近くの壁に埋まった岩のひとつを引き抜こうとして隅の方にうずくまる。「あれも昔の人が作ったもの?」王女は壁を掘って作ってある四角い穴を見て言った。「うん、たぶんそうだと思う」ここに蝋燭を立てればちょうどいいのではないかということになって「蝋燭立ては、最初蝋燭といっしょにおきつね山のお稲荷さんの灯籠《とうろう》から、山下君がもらってきたんだ」自分ではとうていできないことだったので、こういうことを人に話すときはなぜか自慢げになる,ルイヴィトン 財布 モノグラム 三つ折り。 それからも山下君は何度も、蝋燭以外にもいろいろこまごまと盗んできたよと自慢したくなったが、人の自慢をしているときではないなと思いなおした。 芳裕は昔よく「山下君はカマキリを殺せるんだよ」と他人に他人の自慢をしていたものだった。 王女は、「ああそう」よかったわねえ、と子供を相手にしているような相槌《あいづち》を打って微笑んでくれた。山下君っていったい誰か、おきつね山とはどこか、というようなことは特に気にならないようだった。 ごろり、とビーチボールほどの岩がはずれた。「あったあった。これこれ」と、岩が蓋《ふた》をしていた穴の奥から薄汚れた木の箱を取り出して見せ「縄文式土器」「あら、木でできてるのね」「いやいや、この中」「ああそうなの」ずれたことを言っても、へこたれるようすもなく常に楽しそうである。「そんなにたいしたもんじゃないんだけどね」と、歪んだ林檎箱を引き寄せて座る,coach 財布 激安。 元は上等の鍋でも入っていたのか、立方体に近いその箱にぎっしり詰まっているものはどう見てもたいしたものであるはずがないようにしか見えないものだった。 つまり早い話ゴミに見えた。 そのがらくたを芳裕はひとつひとつゆっくりと、ことりと音を立てたら最後、それで負けだとでもいうように丁寧に取り出していく。「なんだか土のかけらみたい」 それはそのとおりだった。「うん、そうなんだけどね」全部で十個ほどの土のかけらを林檎箱の上に並べおえた。一番大きいもので瓦半分程度の大きさである。「これは縄文時代の土器なんだって」 小学校の先生にそのうちのひとつを見せたところ、大学でも調べてもらったがどうやら縄文時代のものらしい、ということだった。どこで見つけたかしつこく訊ねられ、知らないおじさんにもらったなどと苦しい嘘をついたのだが、どこで見つけたにしろ二度と掘りにいってはいけないとくどくど説教をされた。 そんなわけで、他のみんながむきになって掘りまくったのである。芳裕は先生の言うことをきいて、掘るのをやめるつもりだったのだが。「便所を作ろうとしてて」と、芳裕は言った。「この近くの岩の間を掘ったら出てきたんだ」結局便所は別のところに掘った。 かなり大量に出てきたが、残っているのはこの洞窟に隠した十数点の「大物」だけで、仲間が家に持ち帰った分は、ほとんどなくなってしまっていた。 発見した最初の頃は興奮していたし、学校で禁止されたことで情熱が沸騰《ふっとう》したが、あまり大量に出てきたのですぐにどうでもよくなってしまったのである。たしかに縄文式土器だろうと教えてくれた先生に、けれども特に珍しいものではない、と言われてしまったせいもあった,ルイヴィトン モノグラム 財布。 あっというまに飽きていた。 この洞窟以外では、当時の仲間だった友人の家の玄関前に残っているだけである。飾ってあるのではなく玄関前に敷いてある砂利の中に混じっていた。数年前の正月、芳裕が発見したのだった。「玄関の前に縄文式土器を敷くと、どうなるの?」と、王女は訊いた。「うーん」なんと答えたものか。「これも土器?」人の話を聞いているのかいないのか、王女の関心は玄関前の縄文式土器ではなく目の前の石の方に移ったようだった。 王女が恐る恐る指さしたのは、ビリヤードの球を少し平たく押しつぶしたような大きさの石で、深く透明感のある緑色をしていた,オメガ デ ヴィル。「ああ、それは土器じゃないと思う」綺麗だからとっておいただけだった。「きれいね」触ってはいけないと思うのか両手を胸の前で握りしめたまま、首だけを伸ばして眺めているので、「はい」と芳裕は緑色の石を手にとって王女に差し出した。「いいの?」小さな両手で、うやうやしく受け取って「翡翠《ひすい》みたい」両手に載せてもらった石を、そのままじっと眺める,aokley サングラス 通販。「縄文時代の人が磨いて作ったのかしら」「それは土器とは違うところに埋まってたんだ」なぜその場所を掘ったのかは思い出せなかった。でも「それは便所じゃなかった」「ありがとう」石を載せてもらったときのまま、そのままの両手を芳裕の方に、はいと突き出す。 芳裕は笑った。「そんなに大事にしなくてもいいよ」「でも」両手を前に突き出しているその仕草は妙に幼く見え、芳裕はどういうわけか無性になつかしい想いにとらわれた。子供の頃遊んだ洞窟にいるせいなのももちろんあるだろうが、それとはまた違うなにかがあるような気がした
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    Posted 13 years ago #

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