ああ、あふれる親愛《しんあい》と家族愛! こうして、非道の組織であったはずのいかさま師の一党——数十人の親なし子とその親方、親方の女房——は、じっさいの血縁などは皆無でありながらも鞏国《きょうこ》に結束した「一家《アーイラ》」となって、まことの情愛という絆《きずな》でむすばれた盗人《ぬすっと》家族に変じたのです。 サフィアーンを紐帯《ちゅうたい》とした大家族に。 さて、こうしてサフィアーンは十五歳の美《うる》わしい若者として、家族や詐欺《ペテン》の相手かたを魅了しながら毎日を暮らしたわけですが、ある日、いつものように義母《はは》親に贓品《ぞうひん》(これは宝石やら金銀の容器《うつわ》でございました)をわけておりまsと、だれやら家の門を叩《たた》く者がおります。「どちらさんだい?」と義母《はは》がたずねると、「あたしですよ」といって顔を見せたのは近所のお婆さんです。この訪問者はサフィアーンの義母《はは》の親しい友人で、その亭主は往時の大泥棒、本人もまた全盛期には女衒《ぜげん》同様のいかさま師として知られた老媼《ろうおう》でございました,コーチ 長財布。「おや、あんた! どうしたんだい? その泣きっ面《つら》は?」「こいつかい? こいつは悔し涙さ! じつは、これこれしかじかなのさ!」 痛恨に絶えないという表情で家《うち》にあがってきた老女《うば》は、サフィアーンの義母《はは》に問われるがままに事情のいっさいを語りだしましたが、これによりますと経緯《けいい》は以下のとおり。かつては裏稼業で浮き世をしのいだ老女《うば》とその亭主でしたが、いまでは隠退して、いちおうは堅気《かたぎ》としての生計《くらし》を営んでおりました。と申しますのも、年老いた亭主の泥棒《どろぼう》としての腕は鈍《なま》り、女房は女房で、悪智慧もとんと往時の冴えを見せられないようになっていたからでございます。けれども、以前は評判《なうて》の大盗賊、その亭主はかつてサブル一といわれたユダヤ人の宝石商から世にもめずらしい宝石を掠《かす》め盗《と》ったことがあり、これを資金《もとで》に安穏と余生を送ろうと考えていたのでした。なにしろ、宝石と申しますのは白いエメラルド二|顆《か》からなる一対の耳環で、十万ディナールには値しようという代物だったのです! 老夫婦が年金代わりに貯えを殖《ふ》やす資本《もと》にするには、この耳環以上のものはございませんでした,コーチ バッグ 新作! ところが、この老女《うば》がサフィアーンの義母《はは》のもとを訪れる数時間まえ、老女《うば》の家にサブルの近衛《このえ》隊長が武装した警吏四十人とともにやってきて、いきなり家捜《やさが》しをし、白いエメラルドの耳環を発見すると没収してしまったのです。「あの犬の息子の、下衆《げす》野郎の、地獄の魔神《ジン》よりも腹汚い近衛隊長め!」と客人《まろうど》の老婆はサフィアーンとその義母《はは》のまえで毒づきました,コーチ アウトレット。「あたしの亭主が酔っぱらって、ゆうべ、町はずれの居酒屋でその日に遇《あ》ったばかりという飲み友だちに『おれは最上等の貴婦人用の耳飾りをもっていて、これはこの世にまたとない、一対の珍宝でできた財宝《おたから》なんだぞ,バッグ!』なんて吹聴したらしいのさ。ああ、アッラーは酔っぱらいを永遠に呪いたもうといいよ! そして戒律やぶりの居酒屋に殃咎《わざわい》あれ,コーチ財布! その話を聞いた飲み友だちというのが、じつのところ近衛隊長のいちばんの手下でね。けさになると親玉《おかしら》の近衛隊長めに報告したんだよ。あの極悪非道の下衆野郎をうわさに聞いたことはないかい? いまのサブルの王さまに任命される以前《まえ》は、あいつはお役人どころか街道すじの野盗でき、十人ばかりのクルド人と組んで追いはぎと馬盗人をやっていたんだよ。それが、あん畜生! このあいだ夜警頭に持たてられたと思ったら(犯罪者をもって犯罪者を制する政策の一種)、しまいには近衛隊長に出世して、むかしは交際もあったあたしの家に、武装した四十人の部下といっしょに押し入りやがった! それから、特権をふりかざして、財宝《おたから》の白いエメラルドの耳環を奪《と》りあげて私物《わがもの》にしちゃったんだよ!」「だけど、そりゃ違法じゃないの!」とサフィアーンの義母《はは》は叫びます。「あたりまえだよ! 当然至極のこんこんちきさ! もう、これがほんとうに酷《ひど》い手口《やりくち》でね、あの野郎ったら『裁判官《ガーディ》に訴えるなら、こっちも手をまわすぞ,コーチ[coach] バッグ!』だって。あの近衛隊長めはね、あたしや亭主がやった往時《むかし》の悪事をもちだして、露見《ばら》すだのなんだの脅して、強引に耳環を奪《と》っちゃったのさ!」「ひどいね、また、そりゃ。あんたが泣くのももっともだよ」「でしょう? だろうとも,コーチ 財布。それで、重ねてあいつがいうにはね、『おい、婆さん、こういう美しい財宝《おたから》はな、じっさいに臈《ろう》たけた若い美人が身につけるのがいいのさ。器量よしの双つの耳たぶに垂らされているに越したことはない,コーチ 新作。そこでだ、われらがサブルの王さまには(おれを近衛隊の長《おさ》に任命してくださった慧眼《けいがん》の王さまだ!)お気に入りの側女《そばめ》がいらっしゃる。名前を「瞳の涼しさ」といってな、おれはこの珍奇をきわめた宝玉を、その側女「瞳の涼しさ」に捧げることに決めたわい!
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「あたりまえだよ
(1 post)-
Posted 13 years ago #
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