まな美も、土門くんの伝説化話にのってきていう。「それもそうやな……あっ、権田黒《ごんだぐろ》いう名前にしょ。その権田黒は、菊の御紋をかさにきて威張《えば》り腐ってるいけすかない[#「いけすかない」に傍点]やつな。そして自分らふたりが尋問を受けるんや。それも鉄格子が嵌《は》まっとう警察の取り調べ室で。ほいでもって、自分はかれーらいす[#「かれーらいす」に傍点]の出前を頼み……姫は何がええ?」「うーんじゃあ、わたしは笊蕎麦《ざるそば》」「うーんぜんぜん季節感あわへんけど、まあええか。するとやな、その権田黒がMの証しをつきつけてきて、これは何だーと厳しく攻め立ててくるわけや。けど、その権田黒が見ている目の前で、自分らはまんまと裏をかいて偽物《にせもん》とすり替える……そのへんの|段取り《すとーりー》は同《おん》なじでええな。あっ、そのときの名文句思いついたぞう。まるで赤子《あかご》の手をひねるように」 土門くんはその巨大な手で、喫茶机《テーブル》を捻《ひね》りながら,ヴィトン 財布 メンズ。「けど、その|筋立て《ストーリー》だったらマサトくんが出てこないわよ」「あ、そやったら、最初《はな》から三人で尋問を受けてることにしょ。警察の菊の御紋に負けじと抵抗を試みる、三つ葉葵三銃士いうことで、ぴったしやろう」「……わたしたちの名前はどうするの?」「そんなんMの中のM三人でかまへんやんか。うちらふたりもMに混ぜてえなあ……」 駄々を捏《こ》ねるように土門くんはいい、「……ほいでもって、何となく仄《ほの》めかせばええわけや,coach財布レディース。かぐや姫と、金太郎と桃太郎いうふうに」「そんなのすぐに露見《ばれ》ちゃうわよ」「ば、ばれるかあ?」 ……どのあたりで? と土門くんは姫の顔を見、「そうやけど、これで姫さまの願いも叶《かの》うて、うちら三人そろうて伝説の中に生きて入りましたねえ」 ことのほか嬉しそうに、土門くんはいう。 そんな願《がん》かけをした覚えは、まな美にはないが。「そして自分らの|M高《がっこう》がある限り、未来|永劫《えいごう》に語り継がれていくわけや。……警察からMの証しを取り返した伝説[#「伝説」に傍点]として」[#改ページ] 17 ——太田多香子救出へ向けての強行突入は、明朝午前四時と決まった。 それに関する緊急|打ち合わせ《ミーティング》は、署長から全権を委《ゆだ》ねられた刑事課の依藤係長と、各課の係長のみで行われた(全員現場の責任者だから話が早い)。 突入は空が明るみ始めてから、そんな意見も出たが、敵は新興宗教の修行道場だから、信者が朝早く起き出すことも考えられ、その前に決行と相成った,aokley サングラス 通販。寝込みを襲おう(つまり真夜中に)と依藤は主張もしたが、すると今度は南署の態勢が整わないのだ。夜勤の課員以外は昼間勤務していたわけで、それをそのまま居残らして真夜中に……には無理がある。だから一度家に帰し、仮眠をするなりして再集結と決まった。その他にも、整えるべき特殊車両があった。闇の中での決行だから照明用の車両が最低でも二台、それも塀越しに高い位置から照らすことができないと。それに信者の抵抗に備え、高圧放水車の手配も。もちろん護送車両も一台では足らず、それらは南署にすべて揃っているわけではないから、他署《よそ》から借りてこなければならないのだ。 が、この件に関しては、人的な支援は他の警察署からは一切期待できないことは、端から依藤には分かっていた,coach 財布 アウトレット。その真浦会《まうらかい》の修行道場に太田多香子が拉致監禁されている——といったことは、ごく限られた情報に基づいた、いわば推理[#「推理」に傍点]であり、そこに強行突入などといった無謀な大|博打《ばくち》に、どこの警察署が賛助《あいのり》してくれるというのだ。もし逆の立場であったら、依藤は高みの見物と決め込んだはずで、それゆえ、南署単独で、その総力を結集して事に当たるしかない——。 斥候《せっこう》ともいうべき生駒と林田の写真撮影から、その真浦会の修行道場に出入りしていた人間は二十五名が確認できている,クロエ トートバッグ 新作。つまり最低でも、その人数は修行道場の建物の中にいるわけだ,オメガ メンズ 時計。 片や、南署で動員できる男性課員は四十七名が限度であったから、何とか対処できそうなぎりぎりの陣容なのだ。もちろんのこと少年課も含めてで、だから文字通り、署を挙げての大捕物《おおとりもの》となる。 その生駒と林田は、刑事課の野村警部補を含む南署より選《すぐ》りの屈強な課員五名を加えて、現場に取って帰り、今も監視の任務にあたっている。ふたりは二日連続の徹夜となるが、主犯格の顔を確認して見知ってる以上、適任者は彼ら以外にはない。そしてもし、太田多香子が外に運び出されたり、もしくはその身に危険を及ぼすような状況が垣間見えたなら、その七名だけで命懸けで突っ込め[#「命懸けで突っ込め」に傍点]——との特命[#「特命」に傍点]が依藤からは出ている。 そして交通一係は、その七名が任についたのとほぼ同時に、修行道場に通じる道路各所に非常線を張り、そこから出て来た車があれば、通常の交通検問に託《かこ》つけて、トランクの中などを改める手筈《てはず》になっている。
相关的主题文章:
DavidCadogan.ca Forums » DavidCadogan.ca
あっ、そのときの名文句思いついたぞう
(1 post)-
Posted 12 years ago #
Reply
You must log in to post.